日銀による財政ファイナンスは「貨幣改鋳」と同じ [経済雑感]

日銀による財政ファイナンスは「貨幣改鋳」と同じ

 市中銀行が国債を購入し、その国債を日銀が市中銀行から購入するのは、法律的にどうであれ、その効果は日銀による国債の直接買い取りと変わりはない。
これは、パチンコで景品を間に置いて換金するのが、法律的にどうであれ、金銭ギャンブルであるのと同じである。

 財政ファイナンスされた国債は事実上償還されないのだから、政府による紙幣発行と何ら変わりはない。その効果は、「(金含有分を低下させる)貨幣改鋳」と同じで、貨幣価値の減価(depreciation)である。
 市中に存在する通貨の総量をPとし、財政ファイナンス(あるいは政府発行紙幣)による通貨の増加量をpとする。この時、通貨の総量がPから(P+p)に増加しても、総量の(対物)価値は変わらない。その結果単位当たりの通貨の価値はP/(P+p)だけ減価する。これは、実際には既存の通貨を持っている者からその量に応じて税を取っているのと同じである。

 もしPに比べてpが非常に小さければ(P>>p)、この減価の効果は明確には感じられない。その一方で、pを使って消費をすれば、いかにも景気が良くなったように見える。
 pが微小な時の偽りの効果に騙されてこれを大規模に行い、Pに比べてpが無視できない量になると物価高になり、漸く国が貧しくなっていることに気付く。しかし国のリソースは政府によって消費(浪費)されてしまっているので、元に戻すことは不可能である。その貧しくなった状態から再出発して努力しなければならない。



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